平成30年度(健康保険法)
平成30年度の健康保険法の本試験問題のインデックスを掲載します。
リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。
択一式
○【問1】= 保険者に関する問題:組み合わせ問題
・【平成30年問1ア】(協会の運営委員会の委員の員数、構成、選任と定足数)
・【平成30年問1イ】(健保組合の名称使用の制限違反に対する罰則)
(協会は、業務上の余裕金で国債、地方債を購入し、運用を行うことは一切できないか)
(健保組合の分割の要件:健康保険組合は、分割しようとするときは、当該健康保険組合に係る適事業所に使用される被保険者の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならないか)
(厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならないか)
○【問2】= 健康保険法に関する問題:
(保険医療機関として指定を受けた病院であっても、健康保険組合が開設した病院は、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することができるか)
(高額療養費の算定における世帯合算は、夫婦がともに被保険者である場合は、原則としてその夫婦間では行われないが、夫婦がともに70歳以上の被保険者であれば、世帯合算が行われるか)
(任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者及び特例退職被保険者の資格の喪失の要件に該当した場合は、被保険者が保険者等に資格喪失の届書を提出しなければならず、当該資格喪失の効力は、保険者等の確認によって生ずるか)
・【平成30年問2D】(厚年法のパスワード使用)【平成28年度試験 改正事項】
(標準報酬月額が1,330,000円(標準報酬月額等級第49級)である被保険者が、固定的賃金の変動により変動月以降継続した3か月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額が1,415,000円となった場合、随時改定の要件に該当するか)
(被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給されるか)
○【問3】= 健康保険法に関する問題:
(被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われないか)
(高額介護合算療養費は、健康保険法に規定する一部負担金等の額並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額及び介護予防サービス利用者負担額の合計額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。高額介護合算療養費は、健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており、一部負担金等の額は高額療養費の支給額に相当する額を控除して得た額となる)
(全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所の事業主は、被保険者に賞与を支払った場合は、支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構に提出しなければならないか)
・【平成30年問3D】(厚年法のパスワード使用)
(全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者について、標準報酬月額の定時決定に際し、4月、 5月、 6月のいずれかの1か月において休職し、低額の体職給を受けた場合、その体職給を受けた月を除いて報酬月額を算定するか)
(被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主として被保険者により生計を維持されてきたものについて、その配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものが死亡した場合、引き続きその被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者によって生計を維持される当該父母及び子は被扶養者に認定されるか)
○【問4】= 健康保険法に関する問題:
(健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣より指定を受けた健康保険組合は、財政の健全化に関する計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、当該計画に従い、その事業を行わなければならない。この計画に従わない場合は、厚生労働大臣は当該健康保険組合と地域型健康保険組合との合併を命ずることができるか)
・【平成30年問4B】(厚年法のパスワード使用)
(全国健康保険協会管掌健康保険において、事業主が負担すべき出張旅費を被保険者が立て替え、その立て替えた実費を弁償する目的で被保険者に出張旅費が支給された場合、当該出張旅費は労働の対償とは認められないため、報酬には該当しないものとして取り扱われるか)
(全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者の妻が被扶養者となった場合は、5日以内に、被保険者は所定の事項を記入した被扶養者届を、事業主を経由して全国健康保険協会に提出しなければならないか)
(国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導の実施に要する費用の全部を補助することができるか)
(全国健康保険協会管掌健康保険及び健康保険組合管掌健康保険について、適用事業所以外の事業所の任意適用の申請に対する厚生労働大臣の認可の権限は日本年金機構に委任されているか)
○【問5】= 健康保険法に関する問題:組み合わせ問題
(健康保険組合は、組合債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならないが、厚生労働省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。健康保険組合は、この厚生労働省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない)
(健康保険組合は、予算超過の支出又は予算外の支出に充てるため、予備費を設けなければならないが、この予備費は、組合合の否決した使途に充てることができないか)
(保険料その他健康保険法の規定による徴収金を滞納する者があるとき、原則として、保険者は期限を指定してこれを督促しなければならない。督促をしようとするときは、保険者は納付義務者に対して督促状を発する。督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して14日以上を経過した日でなければならない)
(一般の被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない)
(健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができるか)
○【問6】= 健康保険法に関する問題:
・【平成30年問6A】 【平成30年度試験 改正事項(通達)】
(臓器移植を必要とする被保険者がレシピエント適応基準に該当し、海外渡航時に日本臓器移植ネットワークに登録している状態であり、かつ、当該被保険者が移植を必要とする臓器に係る、国内における待機状況を考慮すると、海外で移植を受けない限りは生命の維持が不可能となる恐れが高い場合には、海外において療養等を受けた場合に支給される療養費の支給要件である健康保険法第87条第1項に規定する「保険者がやむを得ないものと認めるとき」に該当する場合と判断できる)
(工場の事業譲渡によって、被保険者を使用している事業主が変更した場合、保険料の繰上徴収が認められる事由に該当することはないか)
(任意継続被保険者が保険料を前納する場合、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間のみを単位として行わなければならないか)
(保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、 6か月以内の期間を定め、その者に支給すべき療養費の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができるが、偽りその他不正の行為があった目から3年を経過したときは、この限りでない)
(日雇特例被保険者が出産した場合において、その出産の日の属する月の前4か月間に通算して30日分以上の保険料がその者について納付されていなければ、出産育児一時金が支給されないか)
○【問7】= 健康保険法に関する問題:
(保険者は、被保険者の被扶養者が、正当な理由なしに療養に関する指示従わないときは、当該被扶養者に係る保険給付の全部を行わないことができるか)
(健康保険組合は、支払上現金に不足を生じたときは、準備金に属する現全を繰替使用し、又は一時借入金をすることができるが、この繰替使用し金額及び一時借入金は、やむを得ない場合であっても、翌会計年度内に返還しなければならないか)
(移送費の支給が認められる医師、看護師等の付添人による医学的管理等について、患者がその医学的管理等に要する費用を支払った場合にあっては、現に要した費用の額の範囲内で、移送費とは別に、診療報酬に係る基準を勘案してこれを評価し、療養費の支給を行うことができるか)
(例えば、コルセット装着に係る療養費については、コルセットを装着した日にコルセットの代金を支払わず、その1か月後に支払った場合、コルセットを装着した日の翌日から消滅時効が起算されるか)
(被扶養者が疾病により家族療養費を受けている間に被保険者が死亡した場合、被保険者は死亡によって被保険者の資格を喪失するが、当該資格喪失後も被扶養者に対して家族療養費が支給されるか)
○【問8】= 短時間労働者に関する問題:組み合わせ問題
※ なお、本間における短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者又は1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満である者のことをいいます。
・【平成30年問8ア】 【平成29年度試験 改正事項】
(特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、 1週間の所定労働時間が20時間以上であることの算定において、1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定労働時間が一通りでない場合は、当該周期における1週間の所定労働時間の平均により算定された時間を1週間の所定労働時間として算定することとされている)
・【平成30年問8イ】 【平成29年度試験 改正事項】
(短時間労働者を使用する特定適用事業所の被保険者の総数(短時間労働者を除く。)が常時500人以下になり、特定適用事業所の要件に該当しなくなった場合であっても、事業主が所定の労働組合等の同意を得て、当該短時間労働者について適用除外の規定の適用を受ける旨の申出をしないときは、当該短時間労働者の被保険者資格は喪失しない)
(全国健康保険協会管掌健康保険の特定適用事業所に使用される短時間労働者が被保険者としての要件を満たし、かつ、同時に健康保険組合管掌健康保険の特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者としての要件を満たした場合は、全国健康保険協会が優先して、当該被保険者の健康保険を管掌する保険者となる)
・【平成30年問8エ】 【平成29年度試験 改正事項】
(特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、報酬の月額が88,000円以上であることの算定において、家族手当は報酬に含めず、通勤手当は報酬に含めて算定する)
(全国健康保険協会管掌健康保険において、短時間労働者ではない被保険者は、給与締め日の変更によって給与支給日数が減少した場合であっても、支払基礎日数が17日以上であれば、通常の定時決定の方法によって標準報酬月額を算定するものとして取り扱われる)
○【問9】= 健康保険法に関する問題:
(被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際、その資格を喪失した日の前日以前から傷病手当金の支給を受けている者は、その資格を喪失した日から1年6か月間、継続して同一の保険者から当該傷病手当金を受給することができるか)
(全国健康保険協会管掌健康保険において、給与計算期間の途中で昇給した場合、昇給した給与が実績として1か月分確保された月を固定的賃金の変動が報酬に反映された月として扱い、それ以後3か月間に受けた報酬を計算の基礎として随時改定に該当するか否かを判断するものとされている)
(被保険者の資格喪失後の出産により出産育児一時金の受給資格を満たした被保険者であった者が、当該資格喪失後に船員保険の被保険者になり、当該出産について船員保険法に基づく出産育児一時金の受給資格を満たした場合、いずれかを選択して受給することができるか)
(傷病手当金は、療養のために労務に服することができなかった場合に支給するものであるが、その療養は、医師の診療を受けた場合に限られ、歯科医師による診療を受けた場合は支給対象とならないか)
(出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合、いずれかを選択して受給することができるか)
○【問10】= 健康保険法に関する問題:
(被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者は、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合があるが、その対象となる業務は、当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものとされているか)
(被保険者の配偶者の63歳の母が、遺族厚生年金を150万円受給しており、それ以外の収入が一切ない場合、被保険者がその額を超える仕送りをしていれば、被保険者と別居していたとしても被保険者の被扶養者に該当するか)
(適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日であるが、事業所調査の際に資格取得の届出もれが発見された場合は、調査の日を資格取得日としなければならないか)
(被扶養者が6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である場合、家族療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に100分の90を乗じて得た額である)
(任意継続被保険者が75歳に達し、後期高齢者医療の被保険者になる要件を満たしたとしても、任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過していない場合は、任意継続被保険者の資格が継続するため、後期高齢者医療の被保険者になることはできないか)
選択式
次の文中の の部分を選択肢中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1 健康保険法第2条では、「健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、 A 、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の B 、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の C を総合的に図りつつ、実施されなければならない。」と規定している。
2 健康保険法第102条第1項では、「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の目が出産の予定日後であるときは、出産の予定日) D (多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日 E までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。」と規定している。
選択肢:
➀以後42日 ②以後56日 ③以前42日 ④以前56日 ⑤一元化 ⑥医療技術の進歩 ⑦運営の効率化 ⑧健康意識の変化 ⑨後42日 ⑩後56日 ⑪高度化 ⑫持続可能な運営 ⑬質の向上 ⑭疾病構造の変化 ⑮情報技術の進歩 ⑯多様化 ⑰前42日 ⑱前56日⑲民営化 ⑳無駄の排除
選択式解答
A=⑭疾病構造の変化
B=⑦運営の効率化
C=⑬質の向上
D=③以前42日
E=⑩後56日
選択式の解説とリンク先
〔1〕問1
選択式の問1は、「基本的理念」の第2条からの出題です。本文は、こちらです。
いつ出題されてもおかしくなかった条文であり、十分な準備が必要でした。合格レベルにある方は、正解しているはずです。
〔2〕問2
問2も、基本的な問題でした。
当サイトは、労基法の産前産後休業期間についてゴロで押さえており、「以前」・「後」といった紛らわしい点もゴロで簡単に思い出せました。
以上のように、健保法は、選択式は、基本的問題でしたが、反面、択一式がかなり厳しかったです。択一式は、万遍なく全範囲から出題され、かつ、細かい知識が多いです。
協会と組合に関する運営、費用関係の出題や報酬に関する【平成29.6.2事務連絡】からの出題は目立ちました(平成28年度の択一式あたりより、この事務連絡からの出題が増えています。前者については、従来から出題が多かったです)。
また、短時間労働者に関する出題も2年連続し、【平成28.5.13保保発0513第1号】の通達からの出題が目立ちます。
日頃からの地道な学習が必要となります。