令和4年度 労働一般

令和4年度(2022年度)の労働一般の本試験問題のインデックスを掲載します。 

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。 

 

 

択一式

○【問1】= 我が国の労働力に関する問題(令和3年労働力調査):

 

▶我が国の労働力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

なお、本問は、「労働力調査(基本集計)2021年平均結果(総務省統計局)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

 

【令和4年問1】(白書対策講座のパスワード)

 

※「令和元年 労働経済白書」から「労働者の働きやすさ」についての出題でした。

当サイトでは、「白書対策講座」の「令和元年 労働経済白書」で取り上げており(ただし、そのアップは本試験前の7月でした)、本問中の4肢については直接掲載していました(残り1肢も、要旨は記載していました)。

ただ、肢のAとBの正誤に迷うところであり、確実に正答することは厳しかったといえます。

詳細は、前掲のリンク先をご覧下さい。

 

 

 

○【問2】= 労働時間制度に関する問題(令和3年就労条件総合調査):

 

▶我が国の令和3年における労働時間制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

なお、本問は、「令和3年就労条件総合調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

 

【令和4年問2A】(白書対策講座のパスワード。以下、本問において同様)

(特別休暇制度の有無を企業規模計でみると、特別休暇制度のある企業の割合は約6割となっており、これを特別休暇制度の種類(複数回答)別にみると、「夏季休暇」が最も多くなっている。)

 

【令和4年問2B】

(変形労働時間制の有無を企業規模計でみると、変形労働時間制を採用している企業の割合は約6割であり、これを変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が「1か月単位の変形労働時間制」よりも多くなっている。)

 

【令和4年問2C】

(主な週休制の形態を企業規模計でみると、完全週休2日制が6割を超えるようになった。)

 

【令和4年問2D】

(勤務間インターバル制度の導入状況を企業規模計でみると、「導入している」は1割に達していない。)

 

【令和4年問2E】

(労働者1人平均の年次有給休暇の取得率を企業規模別にみると、規模が大きくなるほど取得率が高くなっている。)

 

 

 

○【問3】= 転職者に関する問題(令和2年転職者実態調査):

 

▶我が国の転職者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

なお、本問は、「令和2年転職者実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

 

〔「転職者実態調査」は、「白書対策講座」において取り上げていないため、以下、本ページにおいて、肢ごとに解説します。〕

 

 

・【令和4年問3A】

設問:

転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)をみると、「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」、「縁故(知人、友人等)」、「自社のウェブサイト」が上位3つを占めている。

 

解答:

誤りです。

転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)については、①「ハローワーク等の公的機関」(57.3%)、②「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」(43.2%)、③「縁故(知人、友人等)(27.6%)が上位3つを占めています(「令和2年転職者実態調査(こちら)」の9頁)。

従って、本肢は、「自社のウェブサイト」を「ハローワーク等の公的機関」に置き換えれば正しい内容となります。

「自社のウェブサイト」は26.6%であり、4番目に多いです。

 

本肢を一読して、「ハローワーク等の公的機関」が挙げられていないのに気づけるかどうかがポイントです。

 

 

・【令和4年問3B】

設問:

転職者がいる事業所において、転職者の処遇(賃金、役職等)決定の際に考慮した要素(複数回答)をみると、「年齢」、「免許・資格」、「前職の賃金」が上位3つを占めている。

 

解答:

誤りです。

①「これまでの経験・能力・知識」(74.7%)、②「年齢」(45.2%)、③「免許・資格」(37.3%)が上位3つを占めています(「令和2年転職者実態調査(こちら)」の10頁)。

従って、本肢は、「前職の賃金」を「これまでの経験・能力・知識」に置き換えれば正しい内容となります。

「前職の賃金」は25.3%であり、4番目に多いです。 

 

本肢については、転職者の処遇決定にあたり、まずは「経験・能力・知識」が問題となるのが自然だろうという想像力が働けば処理しやすかったです。

 

 

・【令和4年問3C】

設問:

転職者がいる事業所で転職者を採用する際に問題とした点(複数回答)をみると、「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」、「採用時の賃金水準や処遇の決め方」、「採用後の処遇やキャリア形成の仕方」が上位3つを占めている。

 

解答:

誤りです。

転職者がいる事業所で転職者を採用する際に問題とした点(複数回答)をみると、①「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」が67.2%と最も高く、次いで、②「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」が38.8%、③「採用時の賃金水準や処遇の決め方」が 32.3%が上位3つを占めていますす(「令和2年転職者実態調査(こちら)」の11頁)。

従って、本肢は、「採用後の処遇やキャリア形成の仕方」を「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」に置き換えれば正しい内容となります。

 

 

・【令和4年問3D】

設問:

転職者がいる事業所が転職者の採用に当たり重視した事項(複数回答)をみると、「人員構成の歪みの是正」、「既存事業の拡大・強化」、「組織の活性化」が上位3つを占めている。

 

解答:

正しいです(「令和2年転職者実態調査(こちら)」の7頁)

転職者がいる事業所が転職者の採用に当たり重視した事項(複数回答)をみると、①「人員構成の歪みの是正」とする事業所割合が43.8%と最も高く、次いで、②「既存事業の拡大・強化」が42.0% 、③「組織の活性化」が29.1%であり、これらが上位3つを占めています。

 

 

・【令和4年問3E】

設問:

転職者がいる事業所の転職者に対する教育訓練の実施状況をみると、「教育訓練を実施した」事業所割合は約半数となっている。

 

解答:

誤りです(「令和3年転職者実態調査(こちら)」の12頁)。

本肢の転職者に対して「教育訓練を実施した」事業所割合は74.5%となっています。

 

 

 

○【問4】= 労働関係法規に関する問題:

 

▶労働関係法規に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和4年問4A】 【労働組合法:地域単位の一般的拘束力(同法第18条)】

(一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、都道府県労働局長又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をしなければならない。)

 

【令和4年問4B】 【育児介護休業法:職場における育児休業等に関するハラスメント防止措置(同法第25条第1項)】

(事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。)

 

【令和4年問4C】 【障害者雇用促進法:「障害者差別禁止指針」】

(積極的差別是正措置として、障害者でない者と比較して障害者を有利に取り扱うことは、障害者であることを理由とする差別に該当せず、障害者の雇用の促進等に関する法律に違反しない。)

 

【令和4年問4D】 【労働者派遣法:段階的かつ体系的な教育訓練等(同法第30条の2)】

(労働者派遣事業の許可を受けた者(派遣元事業主)は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならず、また、その雇用する派遣労働者の求めに応じ、当該派遣労働者の職業生活の設計に関し、相談の機会の確保その他の援助を行わなければならない。)

 

【令和4年問4E】 【短時間・有期雇用労働法】

(賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならず、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。)

 

 

 

○【問5】= 社労士法に関する問題:

 

▶社会保険労務士法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

〔「社労士法」は、当サイトのテキストが完成していないため、以下、本ページにおいて、肢ごとに解説します。〕

 

 

・【令和4年問5A】

設問:

社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

 

解答:

正しいです(社労士法第2条の2)。

本問のいわゆる補佐人の制度は、平成26年の社労士法の改正により平成27年4月1日から施行されたものです。

社会保険労務士は、本問の事業における労働・社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができます(同法第2条の2第1項)。

依頼者が当初から相談をしていた社労士が弁護士と連携して裁判に関与できるようにすることによって、依頼者の利益が図られ、紛争の迅速・円滑な解決にも資することになります。

裁判所において陳述ができること(尋問等はできません)、訴訟代理人(弁護士)とともに出頭することが必要であること、特定社会保険労務士でなくてもよいことがポイントです。

 

社労士が行った本問の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされますが、当事者又は訴訟代理人が当該陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでありません(同法第2条の2第2項)。

依頼者のため訴訟行為を行うのは訴訟代理人(弁護士)であり、社労士は補完的な地位に留まるという趣旨です。

 

 

・【令和4年問5B】

設問:

懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。

 

解答:

正しいです(社労士法第5条第3号)。

社労士法第5条の欠格事由で登場する数字は「3年を経過しない」です。

 

 

・【令和4年問5C】

設問:

社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1 年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。

 

解答:

誤りです(社労士法第25条)。

 

社労士法第25条の懲戒処分は、次の3種類があります。

 

①戒告

 

②1年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止

 

③失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分)

 

①の戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒める旨を申し渡す処分であり、懲戒処分としては最も軽いものです。

戒告を受けた社会保険労務士は、その業務の実施あるいはその資格について制約を受けることはありません。

従って、戒告には、本問のように「1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分」は含まれていません。

 

 

・【令和4年問5D】

設問:

社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。

 

解答:

正しいです。

行政不服審査法に基づく審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない旨が規定されています(行政不服審査法第25条第1項(労災保険法のパスワード))。

行政事件訴訟法25条1項においても、処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない旨が規定されています。

いわゆる「執行不停止の原則」であり、不服申立ての濫用による手続の円滑な進行の阻害防止を考慮したものです。

 

 

・【令和4年問5E】

設問:

紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

 

解答:

正しいです(社労士法第25条の16の2)。

 

 

以上で択一式は終了です。

 

  

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 全ての事業主は、従業員の一定割合(=法定雇用率)以上の障害者を雇用することが義務付けられており、これを「障害者雇用率制度」という。現在の民間企業に対する法定雇用率は  パーセントである。

障害者の雇用に関する事業主の社会連帯責任を果たすため、法定雇用率を満たしていない事業主(常用雇用労働者  の事業主に限る。)から納付金を徴収する一方、障害者を多く雇用している事業主に対しては調整金、報奨金や各種の助成金を支給している。

障害者を雇用した事業主は、障害者の職場適応のために、  による支援を受けることができる。  には、配置型、訪問型、企業在籍型の3つの形がある。

 

 

2 最高裁判所は、期間を定めて雇用される臨時員(上告人)の労働契約期間満了により、使用者(被上告人)が行った雇止めが問題となった事件において、次のように判示した。

 

「(1)上告人は、昭和45年12月1日から同月20日までの期間を定めて被上告人のP工場に雇用され、同月21日以降、期間2か月の本件労働契約が5回更新されて昭和46年10 月20日に至つた臨時員である。

 

(2)P工場の臨時員制度は、景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で設けられたものであり、臨時員の採用に当たつては、学科試験とか技能試験とかは行わず、面接において健康状態、経歴、趣味、家族構成などを尋ねるのみで採用を決定するという簡易な方法をとつている。

 

(3)被上告人が昭和45年8月から12月までの間に採用したP工場の臨時員90名のうち、翌46年10月20日まで雇用関係が継続した者は、本工採用者を除けば、上告人を含む14名である。

 

(4)P工場においては、臨時員に対し、例外はあるものの、一般的には前作業的要素の作業、単純な作業、精度がさほど重要視されていない作業に従事させる方針をとつており、上告

人も比較的簡易な作業に従事していた。

 

(5)被上告人は、臨時員の契約更新に当たつては、更新期間の約1週間前に本人の意思を確認し、当初作成の労働契約書の「4 雇用期間」欄に順次雇用期間を記入し、臨時員の印を押捺せしめていた(もつとも、上告人が属する機械組においては、本人の意思が確認されたときは、給料の受領のために預かつてある印章を庶務係が本人に代わつて押捺していた。)ものであり、上告人と被上告人との間の5回にわたる本件労働契約の更新は、いずれも期間満了の都度新たな契約を締結する旨を合意することによつてされてきたものである。」「P工場の臨時員は、季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の  ものであり、上告人との間においても5回にわたり契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間満了によつて雇止めにするに当たつては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかつたとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は  のと同様の法律関係となるものと解せられる。」

 

選択肢:

 

①2.0 ②2.3 ③2.5 ④2.6

⑤50人超 ⑥100人超 ⑦200人超 ⑧300人超

⑨安定性が合意されていた

⑩期間の定めのない労働契約が締結された

⑪継続が期待されていた ⑫厳格さが見込まれていた

⑬合理的理由が必要とされていた ⑭採用内定通知がなされた

⑮従前の労働契約が更新された

⑯使用者が労働者に従前と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをした

⑰ジョブコーチ ⑱ジョブサポーター

⑲ジョブマネジャー ⑳ジョブメンター

 

 

 

選択式解答

A=③「2.5」(障害者雇用促進法施行令第9条)〔出題当時は、②「2.3」が正解でしたが、その後の改正により、令和6年4月1日から令和8年6月までの間は、「2.5」となりました。〕

 

B=⑥「100人超」(障害者雇用促進法附則第4条第1項

 

C=⑰「ジョブコーチ」(障害者雇用促進法第20条第3号等において、「職場適応援助者」と規定)

 

D=⑪「継続が期待されていた」(【最判昭和61.12.4=日立メディコ事件】。労基法のこちらの太字の個所)

 

E=⑮「従前の労働契約が更新された」(同上)

 

 

選択式の論点とリンク先

〔1〕問1 = 空欄のA~C

 

問1(こちら)は、障害者雇用促進法からの出題です。

 

1 空欄のAは、民間企業(一般事業主)における法定雇用率(障害者雇用率)を問うものです。

この点は、こちらの表のとおりであり、正解必須です。

出題当時は、令和3年3月1日から適用された率が狙われたもので、前年度の改正事項が出題されたことになります。

 

 

2 空欄のB(こちら)は、「障害者雇用納付金」の徴収対象となる事業主の規模(常時雇用労働者数)を問うものです。

 

障害者雇用促進法では、障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図るとともに、障害者の雇用水準を引き上げることを目的に、法定雇用率(障害者雇用率)を達成していない(法定雇用障害者数を満たせない)事業主から障害者雇用納付金を徴収し、法定雇用率を達成している事業主に対して障害者雇用調整金障害者雇用報奨金等を支給するとともに、障害者の雇用の促進等を図るための各種の助成金を支給することとしています。

このうち、障害者雇用納金金は、法定雇用障害者数を満たしていない一般事業主であって、雇用する労働者数が常時「100人を超える」者に対して、その満たない対象障害者1人について月額5万円が徴収されるものです。

こちら以下のとおりであり(こちらの表も参考。法附則第4条第1項)、正解したいところです。

 

 

3 空欄のC(こちら)は、厳しいです。

障害者雇用促進法では、「職場適応援助者」と規定されているのですが(障害者雇用促進法第20条第3号等)、「ジョブコーチ」のことです。

「令和3年版 厚生労働白書」(こちらの271頁~272頁(pdfの284頁)の「障害者に対する就労支援の推進」の中でも「職場適応援助者(ジョブコーチ)」というキーワードが登場しています。 

「ジョブコーチ」自体は耳慣れた用語なのですが、選択肢に、「ジョブサポーター」や「ジョブマネジャー」という紛らわしいものがあり、正答することは厳しかったでしょう。

 

 

〔2〕問2 = 空欄のD及びE

 

問2(こちら)は、労働契約法の雇止め法理に関する【日立メディコ事件=最判昭61.12.4】からの出題です。

当サイトでは、労基法のこちらで説明しています。こちらの太字の個所です。

 

空欄のD(こちら)については、この判例の詳細を知らなくても、前後の文脈から正答できそうです。

空欄Dの直前に「臨時的作業のために雇用されるものではなく」とありますから、空欄Dは、継続性に関係するものであろうことは推測しやすいです。

 

空欄のE(こちら)については、雇止め法理に関する労働契約法第19条の効果が、「使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされる」ことであることを思い出しますと、解答し易いです。

つまり、その効果は、期間満了後の法律関係が、従前の労働契約が更新されたのと同様のものとなるということです。本文は、こちらです。

 

本問は、判旨に一度でも目を通してその概要を理解していれば、それほど難しい内容ではないのですが、学習不足の場合は2つの空欄の両者を正解することはできなかったかもしれません。

 

 

 

総評

択一式については、労働経済のデータから3問出題され、少々厳しいです。

ただし、当サイトの「白書対策講座」では、【問2】について設問化して取り上げていました。

一方、労働関係法規に関する問4(こちら)も、誤っている肢を見つけるのは簡単ではありません。

 

社労士法に関する問5(こちら)も、やや難しい内容です。

 

一方、選択式については、労働経済のデータから出題されるのではなく、主に法令知識が出題されたこと、また、判例の判旨から出題されたことから、従来までの傾向とは異なる出題がなされました。

今後もこの傾向が続くのかについて判断は困難ですが、今回の択一式では、データに関する出題が多かったことを踏まえますと、今後も、労働経済のデータの学習は必要であり、加えて労働一般の法令のキーワードにも日常的に注意しながら学習しなければならないことになるでしょう。

 

 

以上、令和4年度の労働一般でした。 

 

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