令和2年度 厚生年金保険法

令和2年度の厚生年金保険法の本試験問題のインデックスを掲載します。   

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。

 

 

択一式

○【問1】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問1A】

(遺族厚生年金の受給権を有する障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態にある子について、当該子が19歳に達した日にその事情がやんだときは、10日以内に、遺族厚生年金の受給権の失権に係る届書を日本年金機構に提出しなければならないか)

 

【令和2年問1B】

(年金たる保険給付は、厚生年金保険法の他の規定又は同法以外の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されている場合は、その受給権者の申出により、停止されていない部分の額の支給を停止することとされているか)

 

【令和2年問1C】

(老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上ある者とする)が行方不明になり、その後失踪の宣告を受けた場合、失踪者の遺族が遣族厚生年金を受給するに当たっての生計維持に係る要件については、行方不明となった当時の失踪者との生計維持関係が問われるか)

 

【令和2年問1D】

(障害厚生年金の受給権者が障害厚生年金の額の改定の請求を行ったが、診査の結果、その障害の程度が従前の障害の等級以外の等級に該当すると認められず改定が行われなかった。この場合、当該受給権者は実施機関の診査を受けた日から起算して1年6か月を経過した日後でなければ再び政定の請求を行うことはできないか)

 

【令和2年問1E】

(老齢厚生年金の加給年金額の加算の対象となる妻と子がある場合の加給年金額は、配偶者及び2人目までの子についてはそれぞれ224,700円に、3人日以降の子については1人につき74,900円に、それぞれ所定の改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする)である)

 

 

○【問2】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問2A】

(第1号厚生年金被保険者は、同時に2以上の事業所に使用されるに至ったときは、その者に係る日本年金機構の業務を分掌する年金事務所を選択し、2以上の事業所に使用されるに至った日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならないか)

 

【令和2年問2B】 【令和2年度試験 改正事項

(厚生労働大臣による被保険者の資格に関する処分に不服がある者が行った審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなされるか)

 

【令和2年問2C】 【平成30年度試験 改正事項】

(厚生年金保険法第27条の規定による当然被保険者(船員被保険者を除く)の資格の取得の届出は、当該事実があった日から5日以内に、厚生年金保険被保険者資格取得届・70歳以上被用者該当届又は当該届書に記載すべき事項を記録した光ディスク(これに準ずる方法によりー定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む)を日本年金機構に提出することによって行うものとされているか)

 

【令和2年問2D】

(適用事業所の事業主(船舶所有者を除く)は、廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったときは、原則として、当該事実があった日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならないか)

 

【令和2年問2E】

(被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、父母、孫又は祖父母の有する遺族厚生年金の受給権は消滅する。一方、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときでも、妻の有する遺族厚生年金の受給権は消滅しないか)

 

 

○【問3】= 厚生年金保険法に関する諸問題:【組み合わせ問題】

 

【令和2年問3ア】

(厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば徴収されるが、資格を喪失した月については徴収されない。よって月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は徴収されないか)

 

 ・【令和2年問3イ】

(特定被保険者が死亡した日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と3号分割標準報酬改定請求の事由である離婚又は婚姻の取消しその他厚生年金保険法施行令第3条の12の10に規定する厚生労働省令で定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日に3号分割標準報剛改定請求があったものとみなされるか)

 

【令和2年問3ウ】

(厚生労働大臣は、滞納処分等その他の処分に係る納付義務者が滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、財務大臣に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができるか)

 

【令和2年問3エ】

(日本年金機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならないか)

 

【令和2年問3オ】

(障害等級3級の障害厚生年金の受給権者の障害の状態が障害等級に該当しなくなったため、当該障害厚生年金の支給が停止され、その状態のまま3年が経過した。その後、65歳に達する日の前日までに当該障害厚生年金に係る傷病により障害等級3級に該当する程度の障害の状態になったとしても、当該障害厚生年金は支給されないか)

 

 

 ○【問4】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問4A】

(離婚した場合の3号分割標準報酬改定請求における特定期間(特定期間は複数ないものとする)に係る被保険者期間については、特定期間の初日の属する月は被保険者期間に算入し、特定期間の末日の属する月は被保険者期間に算入しない。ただし、特定期間の初日と末日が同一の月に属するときは、その月は、特定期間に係る被保険者期間に算入しない)

 

【令和2年問4B】

(71歳の高齢任意加入被保険者が障害認定日において障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、当該高齢任意加入被保険者期間中に当該障害に係る傷病の初診日があり、初診日の前日において保険料の納付要件を満たしているときであっても、障害厚生年金は支給されないか)

 

【令和2年問4C】

(障害等級2級に該当する障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が、症状が軽減して障害等級3級の程度の障害の状態になったため当該2級の障害基礎年金は支給停止となった。その後、その者が65歳に達した日以後に再び障害の程度が増進して障害等級2級に該当する程度の障害の状態になった場合、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金は支給されないか)

 

【令和2年問4D】

(障害等級3級の障害厚生年金には、配偶者についての加給年金額は加算されないが、最低保障額として障害等級2級の障害基礎年金の年金額の3分の2に相当する額が保障されているか)

 

【令和2年問4E】

(厚生年金保険の被保険者であった者が資格を喪失して国民年金の第1号被保険者の資格を取得したが、その後再び厚生年金保険の被保険者の資格を取得した。国民年金の第1号被保険者であった時に初診日がある傷病について、再び厚生年金保険の被保険者となってから障害等級3級に該当する障害の状態になった場合、保険料納付要件を満たしていれば当該被保険者は障害厚生年金を受給することができるか)

 

 

○【問5】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問5A】

(被保険者の報酬月額の算定に当たり、報酬の一部が通貨以外のもので支払われている場合には、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定めるか)

  

 ・【令和2年問5B】

(被保険者の死亡当時10歳であった遺族厚生年金の受給権者である被保険者の子が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことによりその受給権を失った場合において、その被保険者の死亡当時その被保険者によって生計を維持していたその被保険者の父がいる場合でも、当該父が遺族厚生年金の受給権者となることはないか)

 

【令和2年問5C】(国年法のパスワード)

(第1号厚生年金被保険者期間と第2号厚生年金被保険者期間を有する者について、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金と、第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金は併給されるか)

 

【令和2年問5D】

(障害厚生年金の保険給付を受ける権利は、国税滞納処分による差し押さえはできないか)

 

【令和2年問5E】

(老齢厚生年金の保険給付として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課することはできないか)  

 

 

○【問6】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問6A】

(第2号厚生年金被保険者に係る厚生年金保険法第84条の5第1項の規定による拠出金の納付に関する事務は、実施機関としての国家公務員共済組合が行うか)

 

【令和2年問6B】

(任意適用事業所の認可を受けようとする事業主は、当該事業所に使用される者(厚生年金保険法第12条に規定する者及び特定4分の3未満短時間労働者を除く)の3分の1以上の同意を得たことを証する書類を添えて、厚生年金保険任意適用申請書を日本年金機構に提出しなければならないか)

 

 ・【令和2年問6C】

(船舶所有者による船員被保険者の資格の取得の届出については、船舶所有者は船長又は船長の職務を行う者を代理人として処理させることができるか)

 

【令和2年問6D】

(船舶所有者は、船舶が適用事業所に該当しなくなったときは、当該事実があった日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を提出しなければならないか)

 

【令和2年問6E】

(株式会社の代表取締役は、70歳未満であっても被保険者となることはないが、代表取締役以外の取締役は被保険者となることがあるか)

 

 

○【問7】= 短時間労働者に関する諸問題:【組み合わせ問題】【平成29年度試験 改正事項】

 

【令和2年問7ア】

(特定適用事業所に使用される者は、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者とならないか)

 

【令和2年問7イ】

(特定適用事業所に使用される者は、その1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満であって、当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない場合は、厚生年金保険の被保険者とならないか)

 

【令和2年問7ウ】

(特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならないか)

 

【令和2年問7エ】

(特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならないか)

 

【令和2年問7オ】

(適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の特定4分の3未満短時間労働者については、厚生年金保険法第10条第1項に規定する厚生労働大臣の認可を受けて任意単独被保険者となることができるか)

 

 

○【問8】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問8A】

(厚生労働大臣は、毎月、住民基本台帳法の規定による老齢厚生年金の受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うが、当該受給権者の生存若しくは死亡の事実が確認されなかったとき(厚生年全保険法施行規則第35条の2第1項に規定する場合を除く)又は必要と認めるときには、当該受給権者に対し、当該受給権者の生存の事実について確認できる書類の提出を求めることができるか)

 

【令和2年問8B】

(死亡した被保険者の2人の子が遺族厚生年金の受給権者である場合に、そのうちの1人の所在が1年以上明らかでないときは、他の受給権者の申請によってその所在が明らかでなくなった時にさかのぼってその支給が停止されるが、支給停止された者はいつでもその支給停上の解除を申請することができるか)

 

【令和2年問8C】

(厚生労働大臣は、適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者を厚生年金保険の被保険者とする認可を行ったときは、その旨を当該被保険者に通知しなければならないか)

 

【令和2年問8D】

(配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金の額を改定するか)

 

【令和2年問8E】

(年金たる保険給付の受給権者が、正当な理由がなくて、実施機関が必要があると認めて行った受給権者の身分関係に係る事項に関する職員の質問に応じなかったときは、年金たる保険織特の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができるか)

 

 

○【問9】= 厚生年金保険法に関する諸問題:

 

【令和2年問9A】

(被保険者である老齢厚生年金の受給者(昭和25年7月1日生まれ)が70歳になり当該被保険者の資格を喪失した場合における老齢厚生年金は、当該被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間も老齢厚生年金の額の計算の基礎となり、令和2年8月分から年金の額が改定されるか) 

 

 ・【令和2年問9B】令和元年度試験 改正事項

(第1号厚生年金被保険者に係る適用事業所の事業主は、被保険者が70歳に到達し、引き続き当該事業所に使用されることにより70歳以上の使用される者の要件に該当する場合であって、当該者の標準報酬月額に相当する額が70歳到達日の前日における標準報酬月額と同額である場合は、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届を省略することができるか) 

 

【令和2年問9C】

(適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者であって、任意単独被保険者になることを希望する者は、当該事業所の事業主の同意を得たうえで資格取得に係る認可の申請をしなければならないが、事業主の同意を得られなかった場合でも保険料をその者が全額自己負担するのであれば、申請することができるか) 

 

【令和2年問9D】

(特定適用事業所以外の適用事業所においては、 1週間の所定労働時間及び1か月間の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間及び1か月間の所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3基準」という)である者を被保険者として取り扱うこととされているが、雇用契約書における所定労働時間又は所定労働日数と実際の労働時間又は労働日数が乖離していることが常態化しているとき、4分の3基準を満たさないものの、事業主等に対する事情の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、実際の労働時間又は労働日数が直近6か月において4分の3基準を満たしている場合で、今後も同様の状態が続くことが見込まれるときは、4分の3基準を満たしているものとして取り扱うこととされている) 

 

【令和2年問9E】

(障害厚生年金の支給を受けたことがある場合でも、障害の状態が軽減し、脱退一時金の請求時に障害厚生年金の支給を受けていなければ脱退一時金の支給を受けることができるか) 

 

 

○【問10】= 厚生年金保険法に関する諸問題:【組み合わせ問題】

 

【令和2年問10ア】

(被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したときは、死亡した者が遺族厚生年金の保険料納付要件を満たしていれば、死亡の当時、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給されるか)  

 

 ・【令和2年問10イ】一元化法による改正事項

(老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている60歳以上65歳未満の者であって、特別支給の老齢厚生年金の生年月日に係る要件を満たす者が、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した日において第1号厚生年金被保険者期間が9か月しかなかったため特別支給の老齢厚生年金を受給することができなかった。この者が、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢到達後に第3号厚生年金被保険者の資格を取得し、当該第3号厚生年金被保険者期間が3か月になった場合は、特別支給の老齢厚生年金を受給することができるか)  

 

【令和2年問10ウ】

(令和2年8月において、総報酬月額相当額が220,000円の64歳の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金の受給権を有し、当該老齢厚生年金における基本月額が120,000円の場合、在職老齢年金の仕組みにより月60,000円の当該老齢厚生年金が支給停止されるか)  

 

【令和2年問10エ】

(障害厚生年金は、その傷病が治らなくても、初診日において被保険者であり、初診日から1年6か月を経過した日において障害等級に該当する程度の状態であって、保険料納付要件を満たしていれば支給対象となるが、障害手当金は、初診日において被保険者であり、保険料納付要件を満たしていたとしても、初診日から起算して5年を経過する日までの間に、その傷病が治っていなければ支給対象にならないか)  

 

【令和2年問10オ】

(遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはないか)    

 

  

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 厚生年金保険法第31条の2の規定によると、実施機関は、厚生年金保険制度に対する  を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとするとされている。

 

2 厚生年金保険法第44条の3第1項の規定によると、老齢厚生年金の受給権を有する者であってその  前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができるとされている。ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(   を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の  までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでないとされている。

 

3 厚生年金保険法第78条の2第1項の規定によると、第1号改定者又は第2号改定者は、離婚等をした場合であって、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき  について合意しているときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができるとされている。ただし、当該離婚等をしたときから  を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでないとされている。

 

 

選択肢:

①1年 ②2年 ③3年 ④6か月 ⑤按分割合 ⑥改定額 ⑦改定請求額 ⑧改定割合

⑨国民の理解 ⑩受給権者の理解 

⑪受給権を取得した日から起算して1か月を経過した日 ⑫受給権を取得した日から起算して1年を経過した日 ⑬受給権を取得した日から起算して5年を経過した日 ⑭受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日

⑮被保険者及び被保険者であった者の理解 ⑯被保険者の理解 

⑰付加年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金 ⑱老齢基礎年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金 ⑲老齢基礎年金及び付加年金並びに遺族基礎年金 ⑳老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金

 

 

 

選択式解答

A = ⑨国民の理解(第31条の2

 

B= ⑫受給権を取得した日から起算して1年を経過した日(第44条の3第1項本文

 

C = ⑳老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金(第44条の3第1項ただし書

 

D = ⑤按分割合(第78条の2第1項第1号

 

E = ②2年(第78条の2第1項ただし書

 

 

選択式の論点とリンク先

〔1〕問1

 

選択式の問1(空欄のA。こちら)は、被保険者に対する情報の提供(第31条の2)からの出題です。

 

この「被保険者に対する情報の提供」については、国年法においてもパラレルな規定があり(国年法第14条の5(国年法のパスワード))、国年法において【平成22年問2B(国年法のこちら)】が、社会一般において【平成28年 社会一般 問10E(国年法のこちら)】が出題されていることから、当サイトも選択式を視野に入れて、キーワードをマークしていました(厚年法のこちら)。

即ち、国民が「理解」して初めて制度に対する「信頼」が生じるため、第31条の2は「理解」➡「信頼」の順番となっています。

 

なお、選択肢の⑯には、「被保険者の理解」という紛らわしいダミーがあります。

しかし、第31条の2では、「厚生年金保険制度に対する・・・信頼を向上させる」とあり、同条の趣旨は広く厚生年金保険制度に対する信頼の向上等にあると解されるところ、厚生年金保険制度に対する理解を「被保険者」に狭く留める理由は乏しいといえます。

そして、「被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報」は、被保険者に対して通知されるものですが、一般的には被保険者の将来の姿が受給権者ですから、被保険者に通知することは、ひいては受給権者(国民)に対して制度の理解と信頼を深めることにつながることも考えますと、空欄のAについては、「国民の理解」の方が座りがよいということになるでしょう。 

 

本問は、難問というわけではないですが、この条文をマークしていませんと、やや迷ったかもしれません。 

 

 

〔2〕問2

 

問2(空欄のB及びC。こちら)は、老齢厚生年金の支給の繰下げの要件に関する問題です。

内容的には、基本的な知識といえます。 

 

空欄のBは、こちら以下(厚年法のパスワード)の支給要件の二です。

典型的には、「66歳に達する前に」老齢厚生年金を請求していなかったことという要件であり、老齢基礎年金の支給の繰下げの場合と実質的に同様の要件です。

 

空欄のCは、こちら以下の支給要件の四の(二)です。

老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間に「他の年金たる給付」の受給権を有していると支給の繰下げは認められませんが、この「他の年金たる給付」に「障害基礎年金」が含まれない理由については、こちら以下で説明しています。

つまり、65歳以上の者については老齢厚生年金と障害基礎年金の併給が認められること、及び障害者の保護といった政策的視点を加味して、「障害基礎年金」を除外しているものと解されます(前者の併給の可否という点だけでは、「老齢基礎年金」の支給の繰下げについて説明できません。例えば、「老齢基礎年金」の支給の繰下げについて考えますと、65歳以上の者について老齢基礎年金と遺族厚生年金の併給も認められるのに、老齢基礎年金の受給権取得日から1年を経過した日までの間に遺族厚生年金の受給権を有した者の場合は、「老齢基礎年金」の支給の繰下げは認められていないのです)。

 

 

〔3〕問3

 

問3(空欄のD及びE。こちら)は、離婚分割(合意分割)に関する出題です。

 

離婚分割(合意分割)については、平成29年度の選択式において、2つの空欄(プラス3号分割が1つ)が出題されていましたが(厚年法のこちら)、今回の空欄E(2年)は、その設問(こちらの4)の前半に書かれているものでした。

内容的には、この平成29年度の選択式の空欄D及びEは、例外のケースであり、難しかったですが、今回は基本的事項が問われました。 

 

離婚分割と3号分割は、こちら以下の通り、出題が非常に多いです。

今回の択一式においても、【令和2年問3イ(こちら)】と【問4A(こちら)】の2肢が出題されています(前者については、【平成28年問2E(こちら)】で出題されており、さらに、その翌年度には、離婚分割の【平成29年問6D(こちら)】においても出題されています)。

 

離婚時の年金分割が出題対象となってから10年を超え、過去問が相当量蓄積されてきており、近年は、過去問の出題個所ないしその関連個所が再度問われることが多くなっています。

そこで、まずは、過去問で出題されている知識を中心に当サイトをチェックして頂き、そのうえで、過去問未出の過去問周辺知識も押さえて頂くと安心です。

 

 

 

総評

選択式については、素直な問題が多く、高得点が可能な内容でした。

 

択一式については、ところどころ厳しい肢もありましたが、比較的取り組みやすい内容であったといえます。

若干の特徴として、短時間労働者に関する問題が問7の1問(5肢)と問9の肢Dの合計6肢出題されていることが挙げられます。

これまで、短時間労働者については、健保法で1問程度出題されることが多かったのですが、今回は、厚年法で出題されました(ちなみに、短時間労働者に関する改正は、元々は、厚年法における改正内容がベースとなっており、健保法においても、厚年法の改正内容が準用されているものがあります)。

なお、今回、「特定4分の3未満短時間労働者」という表現が本格的に登場しています(これまでは、【平成29年 問4D(こちら)】で登場していましたが、そこでは「特定4分の3未満短時間労働者」が論点であったわけではありませんでした)。

短時間労働者については、今後も、「特定4分の3未満短時間労働者」、「特定適用事業所」、「特定労働者」といった基本的な用語を把握し、制度の仕組みを整理したうえで、頻出となっている通達(こちら以下)等の知識をチェックされるとよいでしょう。

 

その他、択一式の問9においては、前年度試験の改正事項がポイントとなっています(【令和2年問9B】)。

今回の健保法の選択式では直近の改正事項が問われているほか、従来から、国年法でも改正事項の出題が多いなど、社会保険の科目については、近時の改正事項を十分チェックしておかれた方がよいでしょう。

 

以上、令和2年度の厚年法の本試験問題でした。

  

 

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