令和2年度 社会一般

令和2年度(2020年度)の社会一般の本試験問題のインデックスを掲載します。 

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。 

 

 

択一式

○【問6】= 確定給付企業年金法に関する問題:

 

【令和2年問6A】(社会一般のパスワード。以下、特記ない限りこのページにおいて同様です)

 (加入者である期間を計算する場合には、月によるものとし、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月までをこれに算入する。ただし、規約で別段の定めをした場合にあっては、この限りでない。)

 

【令和2年問6B】

 (加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、事業主が拠出すべき掛金の全部を負担することができる。)

 

【令和2年問6C】

 (年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は10年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。)

 

【令和2年問6D】

 (老齢給付金の受給権者が、障害給付金を支給されたときは、確定給付企業年金法第36条第1項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、老絲総付金の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。)

 

【令和2年問6E】

 (老齢給付金の受給権は、老齢給付金の受給権者が死亡したとき又は老齢給付金の支給期間が終了したときにのみ、消滅する。) 

 

 

※ 次の問7及び問8については(テキスト未作成のため)、こちらで説明します。

 

 

○【問7】= 船員保険法に関する問題:

 

船員保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

A 育児体業等をしている被保険者(産前産後体業による保険料免除の適用を受けている被保険者を除く。)を使用する船舶所有者が、厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に申出をしたときは、その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日の属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料は徴収されない。

 

解答:

正しいです(船員保険法第118条)。

 

船員保険法における育児休業等期間中の保険料の免除については、基本的に、健康保険法(健保法のこちら)や厚生年金保険法とパラレルになっています。

事業主(船舶所有者)が申し出ること、及び、育児休業等の「開始日」の属する月から、育児休業等の終了日の「翌日」が属する月の「前月まで」の期間の保険料が免除されることがポイントです。

 

 

B 遺族年金を受けることができる遺族の範囲は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものである。なお、年齢に関する要件など所定の要件は満たしているものとする。

 

解答:

正しいです(船員保険法第35条第1項本文)。

 

設問の遺族年金は、労災保険法の遺族(補償)年金の上乗せ給付であり、遺族年金の遺族の要件は遺族(補償)年金の場合(労災保険法のこちら)と同様です。

 

 

C 被保険者又は被保険者であった者が被保険者の資格を喪失する前に発した職務外の事由による疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき療養のため職務に服することができないときは、その職務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から職務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

 

解答:

誤りです。

 

船員保険法の傷病手当金については、健康保険法のように待期期間を満了することは支給要件ではありません。

即ち、被保険者又は被保険者であった者が被保険者の資格を喪失する前に発した職務外の事由による傷病等につき療養のため職務に服することができない場合には、職務に服することができない日の初日から、傷病手当金が支給されます(船員保険法第69条第1項)。

 

 

D 障害年金及び遺族年金の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。

 

解答:

正しいです(船員保険法第41条第1項)。

労災保険法の年金たる保険給付の支給期間(労災保険法のこちら)と同様です。

 

 

E 被保険者が職務上の事由により行方不明となったときは、その期間、被扶養者に対し、行方不明手当金を支給する。ただし、行方不明の期間が1か月未満であるときは、この限りでない。

 

解答:

正しいです(船員保険法第93条)。

 

行方不明手当金は、船員保険法の独自給付です。

即ち、被保険者が職務上の事由により行方不明となったときは、行方不明となった日の翌日から起算して3月を限度として(第95条)、当該行方不明の期間、1日につき行方不明となった当時の標準報酬日額に相当する金額(第94条)が、被扶養者に対し支給されます(第93条本文)。

ただし、行方不明の期間が1月未満であるときは支給されません(第93条ただし書)。  

 

 

○【問8】= 児童手当法に関する問題:

 

児童手当法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

A 「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。

 

解答:

正しいです(児童手当法第3条第1項)。

労基法上の児童の年齢要件(満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでにある者)とは異なります。 

 

 

B 児童手当は、毎年1月、5月及び9月の3期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった児童手当又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の児童手当は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。

 

解答:

誤りです。

「毎年1月、5月及び9月」ではなく、「毎年2月、6月及び10月」が正しいです(児童手当法第8条第4項)。

 

 

C 児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が増額することとなるに至った場合における児童手当の額の改定は、その者がその改定後の額につき認定の請求をした日の属する月の翌月から行う。 

 

解答:

正しいです。

増額改定の場合は、設問の通り、認定請求日の属する月の翌月分から行われます(児童手当法第9条第1項)。

なお、減額改定の場合は、その事由が生じた日の属する月の翌月分から行われます(同条第3項)。

 

 

D 児童手当の一般受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき児童手当(その者が監護していた中学校修了前の児童であった者に係る部分に限る。)で、まだその者に支払っていなかったものがあるときは、当該中学校修了前の児童であった者にその未支払の児童手当を支払うことができる。

 

解答:

正しいです(児童手当法第12条第1項)。

未支払の児童手当の問題です。

一般の未支給給付のように、死亡当時生計同一の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹に支給されるのではありません。 

 

 

E 偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。ただし、刑法に正条があるときは、刑法による。

 

解答:

正しいです(児童手当法第31条)。

設問のいわゆる不正受給罪が存在するのは、社労士試験の対象科目の中で通常登場するものとしては、国民年金法とこの児童手当法くらいです。

なお、国民年金法の不正受給罪の場合は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金であり、同法の罰則の中で最も重くなっています(国年法のこちら)。

 

 

○【問9】= 社会保険審査官及び社会保険審査会法に関する問題:

 

【令和2年問9A】(国民年金法のパスワード。以下、本問において同じです。)

 (審査請求は、政令の定めるところにより、文書のみならず口頭でもすることができる。)

 

 ・【令和2年問9B】

 (審査請求は、代理人によってすることができる。代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。)

 

【令和2年問9C】

 (社会保険審査官は、原処分の執行の停止又は執行の停上の取消をしたときは、審査請求人及び社会保険審査官及び社会保険審査会法第9条第1項の規定により通知を受けた保険者以外の利害関係人に通知しなければならない。)

 

【令和2年問9D】

 (審査請求人は、社会保険審査官の決定があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。審査請求の取下げは、文書のみならず口頭でもすることができる。)

 

【令和2年問9E】

 (健康保険法の被保険者の資格に関する処分に不服がある者が行った審査請求に対する社会保険審査官の決定に不服がある場合の、社会保険審査会に対する再審査請求は、社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月を経過したときは、することができない。ただし、正当な事由によりこの期間内に再審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。) 

 

 

○【問10】= 社会保険制度の費用の負担及び保険料等に関する問題:

 

【令和2年問10A】介護保険法】(社会一般のパスワード。以下、本問において同じです。)

 (介護保険の第1号被保険者である要介護被保険者が、介護保険料の納期限から1年が経過するまでの間に、当該保険料を納付しない場合は、特別の事情等があると認められる場合を除き、市町村は、被保険者に被保険者証の返還を求め、被保険者が被保険者証を返還したときは、被保険者資格証明書を交付する。)

 

 ・【令和2年問10B】国民健康保険法

 (国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主であって、市町村から被保険者資格証明書の交付を受けている者が、国民健康保険料を滞納しており、当該保険料の納期限から1年6か月が経過するまでの間に当該保険料を納付しないことにより、当該保険給付の全部又は一部の支払いを一時差し止めされている。当該世帯主が、この場合においても、なお滞納している保険料を納付しないときは、市町村は、あらかじめ、当該世帯主に通知して、当該一時差し止めに係る保険給付の額から当該世帯主が滞納している保険料額を控除することができる。)

 

 

  ・【令和2年問10C】(本肢については、テキスト未作成のため、ここで解説します。)【船員保険法

 設問:

船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用されている後期高齢者医療制度の被保険者である船員保険の被保険者に対する船員保険の保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ疾病保険料率と災害保健福祉保険料率とを合算した率を乗じて算定される。

 

解答:

後期高齢者医療制度の被保険者である船員保険の被保険者に対する船員保険の保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額に「災害保健福祉保険料率」のみを乗じて算定されます(船員保険法第120条第2項)。

よって、設問は誤りです。

 

 

 ・【令和2年問10D】高齢者医療確保法

 (単身世帯である後期高齢者医療制度の80歳の被保険者(昭和15年4月2日生まれ)は、対象となる市町村課税標準額が145万円以上であり、本来であれば、保険医療機関等で療養の給付を受けるごとに自己負担として3割相当を支払う一定以上の所得者に該当するところであるが、対象となる年間収入が380万円であったことから、この場合、被保険者による申請を要することなく、後期高齢者医療広域連合の職権によりー定以上の所得者には該当せず、自己負担は1割相当となる。)

 

 

 ・【令和2年問10E】(本肢については、テキスト未作成のため、ここで解説します。)【児童手当法

 設問:

10歳と11歳の子を監護し、かつ、この2人の子と生計を同じくしている父と母のそれぞれの所得は、児童手当法に規定する所得制限額を下回っているものの、父と母の所得を合算すると所得制限額を超えている。この場合の児童手当は、特例給付に該当し、月額1万円(10歳の子の分として月額5千円、11歳の子の分として月額5千円)が支給されることになる。

 

解答:

児童手当の所得制限に係る所得の算定は、一般受給資格者の所得に基づいて行われます(児童手当法第5条第1項)。

そして、父及び母がその子である児童を監護し、かつ、これと生計を同じくするときは、当該児童は、当該父又は母のうちいずれか当該児童の生計を維持する程度の高い者によって監護され、かつ、これと生計を同じくするものとみなされるため(児童手当法第4条第3項、第4項)、当該者のみが一般受給資格者となります。

そこで、本肢の場合は、父と母の所得を合算すると所得制限額を超えていても、父と母のそれぞれの所得が所得制限額を下回っていることから、所得制限の対象となりません。

従って、本肢では特例給付ではなく、本来の児童手当が支給されます(10歳の子について月額1万円、11歳の子の分として月額1万円の合計月額2万円)。

以上より、本肢は誤りです。 

 

 

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1「平成29年度社会保障費用統計(国立社会保障・人日問題研究所)」によると、平成29年度の社会保障給付費(ILO基準)の総額は約    円である。部門別にみると、額が最も大きいのは「  」であり、総額に占める割合は45.6%となっている。

 

2 介護保険法第67条第1項及び介護保険法施行規則第103条の規定によると、市町村は、保険給付を受けることができる第1号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から  が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとするとされている。

 

3 国民健康保険法第13条の規定によると、国民健康保険組合は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織し、当該組合の地区は、   の区域によるものとされている。ただし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができるとされている。

 

4 国民年金の第1号被保険者が、国民年金基金に加入し、月額20,000円を納付している場合において、この者が個人型確定拠出年金に加入し、掛金を拠出するときは、月額で  円まで拠出することができる。なお、この者は、掛金を毎月定額で納付するものとする。

 

選択肢:

 

①3,000 ②23,000 ③48,000 ④68,000 ⑤1年 ⑥1年6か月

⑦1又は2以上の市町村 ⑧1又は2以上の都道府県 ⑨2以上の隣接する市町村 ⑩2以上の隣接する都道府県

⑪2年 ⑫6か月 ⑬100兆 ⑭120兆 ⑮140兆 ⑯160兆

⑰医療 ⑱介護対策 ⑲年金 ⑳福祉その他

 

 

 

選択式解答

A = ⑭120兆(平成29年度社会保障費用統計)

 

B = ⑲年金(同上)

 

C = ⑥1年6か月(介護保険法第67条第1項(社会一般のパスワード)、同法施行規則第103条)

 

D = ⑦1又は2以上の市町村(国民健康保険法第13条第2項

 

E = ③48,000(確定拠出年金法施行令第36条第1号

 

 

 

選択式の論点とリンク先

〔1〕問1

 

選択式の問1(空欄のA及びB。こちら)は、「平成29年度 社会保障費用統計」からの出題です(白書対策講座のこちら以下(白書対策講座のパスワード))。

当サイトの白書対策講座でも取り上げていたデーターです。

空欄のAについては、こちらの1で、空欄のBについては、こちらの1の①で掲載しています。

 

本問と関連する問題が平成27年度の択一式の【問10A(こちら)】で出題されていました。

この択一式は、平成24年度の社会保障費用統計からの出題であり、①「平成24年度の社会保障給付費の総額」のほか、②部門別において最も大きい額は「医療」と「年金」のどちらなのかが論点となっていました。

この①及び②の2つの論点は、今回の選択式の空欄そのものです。

このように、社会一般及び労働一般のデーターについても、過去問の研究が極めて重要です。

過去問のデーターを現在の内容に置き換えてチェックしてみることが必要であり、当サイトもそのように過去問を解説しています。 

 

 

 

〔2〕問2

 

選択式の問2(空欄のC。こちら)は、介護保険法の保険料滞納に関する措置からの出題です。

サイト本文では、こちら(社会一般のパスワード)で解説しています。

 

今回は、択一式においても、【問10A(こちら)】で、介護保険法の保険料滞納に関する措置から出題されており(1年滞納の場合の支払方法変更の記載)、また、国民健康保険法からも【問10B(こちら)】で出題されていました(1年6か月滞納の場合の支払の一時差止め)。 

 

この保険料滞納に関する措置については、平成28年度の選択式において、国民健康保険法について、「1年間」滞納の場合の被保険者証の返還と「被保険者資格証明書」の交付が出題されており(こちら)、重要な論点ではありますが、今回、集中的に出題されました。

基本的に、国民健康保険と後期高齢者医療制度における保険料滞納に関する措置はパラレルな仕組みとなっていますが、介護保険については、支払方法変更の記載がなされる点で異なる面があり、【択一式 問10A(こちら)】ではこの点を突かれました。

 

 

〔3〕問3

 

選択式の問3(空欄のD。こちら)は、国民健康保険法の保険者である国民健康保険組合の意義に関する出題でした。 

サイト本文は、こちら(社会一般のパスワード)です。

 

国民健康保険組合は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織されます(第13条第1項)。

この第1項については対応しやすいのですが、設問は、同条第2項の当該組合の地区は「1又は2以上の市町村」の区域によるものとするという個所からの出題であり、これはスルーしやすい個所であるため、難しい空欄となりました。

選択肢の⑦の「1又は2以上の市町村」か、⑧の「1又は2以上の都道府県」あたりで、迷うところです。

こちらのように、国民健康保険組合(以下、「国保組合」といいます)の設立では、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けることが必要です。そうしますと、基本的には、国保組合の地区も同一都道府県内の区域内に存在するのが自然であるとして、上記の⑦が正しいとなります。

ただ、より学習していますと、そのあとのこちらの「市町村長等の意見の聴取」について、「その地区が1の都道府県の区域を越える」かどうかで区分されていたことが思い浮かんでしまい(こちらの論点は、平成18年や21年の択一式で出題されていたものです)、上記の⑧を選ぶ危険性があります。

前掲の第13条第2項は、国保組合の地区は、原則として、1又は2以上の市町村の区域によるものとしつつ、例外として、特別の理由があるときにこの区域によらないことができる旨を定めており、この例外の場合に、上記の「その地区が1の都道府県の区域を越える」というケースが問題となるものです。

 

なお、前回の令和元年度の選択式においても、国民健康保険法の保険者から出題されていました(こちら)。

 

 

〔4〕問4

 

選択式の問4(空欄のE。こちら)は、確定拠出年金法の拠出限度額に関する出題でした。

サイト本文は、こちら(社会一般のパスワード)の図の下の※の箇所で赤字で記載していました。

「第1号被保険者」(第1号加入者)に係る拠出限度額である月額68,000円(年額816,000円)は、付加保険料又は「国民年金基金」の掛金を納付した月については、当該付加保険料等の額を含めた限度額となります(施行令第36条第1号)。

従って、本問では、「68,000円 ー 20,000円 = 48,000円」となります。

 

このEは、基本的な知識に入る部類なのですが、事例もどきの形をとっており、社会一般ではあまり事例の練習などはしませんので、少々やりにくかったかもしれません。

 

確定拠出年金については、前回の令和元年度の選択式でも一つの空欄が出題されていますが(こちら)、企業型年金に係る障害給付金の支給要件に関する問題であり、難しい個所でした。

確定拠出年金と確定給付企業年金は、近時、択一式・選択式を問わず、頻出となっていますが、学習すべき事項が広く厄介です。

前回や今回の選択式のように、過去問で出題されていないような個所も狙われます。

学習方法としては、例えば、1冊本などで、全体構造をつかみ、一通り内容を読み終えた後は、当サイトをチェックして頂き、ゴロ合わせや図表のある個所、そして赤字の部分について十分ご確認下さい。

 

 

総評

選択式については、空欄Dは厳しく、空欄のA・Bの統計知識を押さえていたかどうかが大きなカギとなった問題といえます。

結果としては、基準点が引き下げられ2点となりました。

 

社会一般の選択式は、前々回の平成30年度以来、3年度連続して基準点が2点に引き下げられており、近時、厳しい内容が出題されています。

 

労働一般の選択式に比べれば、後述の通り出題される科目は限定的であり、学習自体は困難ではありません。

ただ、きっちりと学習していないと得点しにくい出題内容となっています。

 

なお、今回は、選択式でデーター関係(社会保障費用統計)が出題されましたが、引き続き社会一般関係のデーターについて注意しておく必要があります。

 

まずは、当サイトの白書対策講座で取り上げています「医療」、「年金」、「介護」のデーターをチェックして頂くとよろしいです。

 

択一式については、結果的には正解肢を見つけやすい設問もあるのですが、船員保険法や児童手当法から細かい知識を問う肢が散見されるなど、なかなか厳しいです。

 

さしあたり、社会一般の出題対象となりやすい最重要の法令科目は、「国民健康保険法」、「高齢者医療確保法」、「介護保険法」、「確定給付企業年金法」、「確定拠出年金法」及び「児童手当法」です(社労士法は、労働一般枠で出題されることが多く、ひとまず除外しておきますが、同法の学習も必須です)。

これらの科目について、少し時間をかけて学習して頂く必要があります。その際、条文のキーワード・数字に注意して選択式を意識した学習を取り入れて下さい。

最終的には、社会一般の法令科目を当サイトでチェックして頂くのが、もっともよい学習方法であるといえます。

 

以上、令和2年度の社会一般でした。 

 

 

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